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アセトン

製品安全データシート

アセトン (Acetone)

作成日 2014年4月17日

改訂日 2014年4月17日

1.化学物質等及び会社情報

化学物質等の名称 :アセトン (Acetone)

アセトン 

炎健康有害性急性毒性

製品コード      :0000000

会社名        :猫でもできるケミカル株式会社
住所             :вулиця Фрунзе1000,Бахчисарай, Крим, Україна
電話番号          :999-1234-5678
緊急時の電話番号    :999-1234-5678
FAX番号           :999-1234-5678
メールアドレス       :office_mbm@kikenbutu.ve

推奨用途及び使用上の制限
 工業用の溶剤、化学物質原料(ビスフェノールA,MMA,MIBK等)、化粧品類添加剤

 


2.危険有害性の要約

GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
  可燃性・引火性ガス 分類対象外
  可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
  高圧ガス 分類対象外
引火性液体 区分2
  可燃性固体 分類対象外
  自己反応性化学品 分類対象外
  自然発火性液体 区分外
  自然発火性固体 分類対象外
  自己発熱性化学品 分類出来ない
  水反応可燃性物質 分類対象外
  酸化性液体 分類対象外
  酸化性固体 分類対象外
  有機過酸化物 分類対象外
  金属腐食性物質 区分外
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分外
  急性毒性(経皮) 区分外
  急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
  急性毒性(吸入:蒸気) 区分外
  急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
  皮膚腐食性・刺激性 区分外
  眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2B
  呼吸器感作性 分類できない
  皮膚感作性 区分外
生殖細胞変異原性 区分外
  発がん性 区分外
  生殖毒性 区分2
  特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分3(気道刺激性、麻酔作用)
  特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) 区分2(血液)
  吸引性呼吸器有害性 区分2
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 区分外
  水生環境慢性有害性 区分外

 

注意喚起語
  • 危険

 

危険有害性情報
  • 引火性の高い液体および蒸気
  • 眼刺激
  • 呼吸器への刺激のおそれ
  • 眠気やめまいのおそれ

 

注意書き

【安全対策】

  • 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
  • 容器を密閉しておくこと。
  • 容器を接地すること、アースをとること。
  • 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。
  • 火花を発生させない工具を使用すること。
  • 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
  • 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
  • 取扱い後はよく手を洗うこと。
  • この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
  • 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
  • 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
  • 使用前に取扱説明書を入手すること。
  • すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
  • 適切な個人用保護具を使用すること。
  • ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
  • 環境への放出を避けること。

【応急措置】

  • 皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。
  • 皮膚に付着した場合、流水・シャワーで石けんを用いて洗うこと。
  • 火災の場合には適切な消火方法をとること。
  • 飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
  • 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
  • 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
  • 吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
  • 眼に入った場合、水で15分以上注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
  • 眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
  • 皮膚刺激または発疹が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
  • 汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
  • ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
  • 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

【保管】

  • 換気の良い冷暗所に保管すること。
  • 施錠して保管すること。
  • 容器は密閉しておくこと。

【廃棄】

  • 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

3.組成及び成分情報

公表化学物質

化学名又は一般名: アセトン (Acetone)

別名: ジメチルホルムアルデヒド (Dimethylformaldehyde)ジメチルケトン (Dimethyl ketone)2‐プロパノン (2-Propanone)

化学式: CH3COCH3、C3H6O

分子量: 58.08

化学特性(化学式又は構造式): 構造式は上図を参照すること

CAS番号: 67-64-1

EC番号: 200-662-2

官報公示整理番号(化審法・安衛法): (2)-542

分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし

濃度又は濃度範囲: 99.7%以上


4.応急措置

吸入した場合

  • ただちに新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
  • 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

  • 皮膚を速やかに流水・シャワーで洗浄すること。
  • 脱いだ衣類を再使用する前に洗濯し汚染除去すること。
  • 気分が悪い時は、医師を呼ぶこと。

眼に入った場合

  • 水で数分間注意深く洗うこと。
  • コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
  • 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

  • 口をすすぎ、うがいをすること。
  • 無理に吐かせないこと。(吐かせることにより再びのどに刺激や損傷を受ける。また、蒸気圧が高い為、蒸気などが気道を刺激や損傷を受けるだけではなく、肺に達して出血性肺炎を引き起こす危険がある)
  • 被害者に意識がない場合、口から何も与えてはならない。
  • ただちに医師の診断、手当てを受けること。

予想される急性症状及び遅発性症状

  • 吸入:咳、めまい、錯乱、し眠、頭痛、吐き気、咽頭痛、意識喪失、脱力感。
  • 皮膚:皮膚の乾燥。
  • 眼:発赤、痛み、霞目
  • 経口摂取 :吐き気、嘔吐。

最も重要な兆候及び症状

  • 唾液分泌過多、顔面紅潮、咳、めまい、し眠、頭痛、咽頭痛、意識喪失、吐気、嘔吐。

応急措置をする者の保護

  • 火気に注意する。
  • 有機溶剤用の保護面体、防護手袋があればそれを着用する。有機溶剤用の防護マスクと防護メガネでも可。

医師に対する特別注意事項

  • 必要に応じて有機溶剤用の防毒マスクを着用する。

5.火災時の措置

消火剤

  • 二酸化炭素、粉末消火剤、水噴霧、耐アルコール性泡消火剤、ハロゲン化物

使ってはならない消火剤

  • 棒状注水(本品があふれ出て火災拡大の危険性がある)

特有の危険有害性

  • 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
  • 蒸気は空気よりも重く地面あるいは床に沿って移動することがあり、屋内、屋外、下水溝などで遠距離引火する場合がある。
  • 火災によって刺激性、毒性のガスを発生するおそれがある。
  • 静電気で引火する恐れがある。
  • 加熱により容器が爆発するおそれがある。
  • 消火水は汚染を引き起こす恐れがある。

特有の消火方法

  • 火災発生場所周辺に関係者以外の立ち入りを禁止する。
  • 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
  • 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
  • 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。

消火を行う者の保護

  • 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

  • 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
  • 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
  • 関係者以外の立入りを禁止する。
  • 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
  • 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
  • 風上に留まる。
  • 低地から離れる。
  • 密閉された場所に立入る前に換気する。

環境に対する注意事項

  • 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
  • 海上で薬剤を使用する場合は国土交通省の規定に適合すること。

回収、中和

  • 乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
  • 回収後は廃棄処分とする。
  • 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。

封じ込め及び浄化の方法・機材

  • 危険でなければ漏れを止める。
  • 漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。

二次災害の防止策

  • すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
  • 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策

  • 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。

局所排気・全体換気

  • 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。

安全取扱い注意事項

  • 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
  • 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。
  • 接触、吸入又は飲み込んではならない。
  • 眼との接触を避ける。
  • 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
  • この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
  • 取扱い後はよく手を洗うこと。

接触回避

  • 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管

技術的対策

  • 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
  • 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
  • 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
  • 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
  • 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
  • 保管場所で使用する電気器具類は防爆構造とし、器具類は設置する。

保管条件

  • 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
  • 容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。
  • 冷所、換気の良い場所で貯蔵すること。
  • 容器は直射日光や火気を避けること。
  • 施錠して貯蔵すること。

混触危険物質

  • 「10.安定性及び反応性」を参照。

容器包装材料

  • 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。
  • 鋼、ステンレス鋼及びアルミニウムは容器として耐久性がある。(危険物ハンドブック ギュンター・ホンメル1991)
  • 種々なプラスチックを侵すので使用を避ける。
  • 国連容器包装等級2

8.ばく露防止及び保護措置

管理濃度

  • 500ppm

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

  • 日本産業衛生学会(2010年版) 200ppm 470mg/m3
  • ACGIH(2010年版) TLV-TWA 500ppm
                TLV-STEL 750ppm

設備対策

  • 防爆の電気、換気、照明機器を使用すること。
  • 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
  • この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
  • 局所または全体換気装置を設置する。

保護具

  • 呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
  • 手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
  • 眼の保護具: 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
  • 皮膚及び身体の保護具: 長袖作業着の着用、必要に応じて保護面体、保護長靴を着用すること。
    (一切の接触を防止するにはネオプレン製の、手袋、エプロン、ブーツ、又は全体スーツ等の不浸透性の防具を適宜着用すること)

衛生対策

  • この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
  • 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質

物理的状態、形状、色など

  • 無色液体 (Merck2006)

臭い

  • 特異臭 (Merck2006)

pH

  • データなし

融点・凝固点

  • -95℃(融点)(Merck2006)

沸点、初留点及び沸騰範囲

  • 56.5℃(沸点)(Merck2006)

引火点

  • -20℃(密閉式)(Merck2006)

自然発火温度

  • 540℃(Merck2006)

燃焼性(固体、ガス)

  • データ無し

爆発範囲

  • 下限 2.2vol%、上限 13vol%(Merck2006)

蒸気圧

  • 239.5hPa(20℃)(Merck2006)

蒸気密度(空気 = 1)

  • 2.0g/cm3(Marck2006)

比重(密度)

  • 0.788(25℃/25℃)(危険物ハンドブック ギュンター・ホンメル1991)

溶解度

  • 水に易溶。(危険物ハンドブック ギュンター・ホンメル1991)
  • エタノール、エーテル、クロロホルムに可溶。(危険物ハンドブック ギュンター・ホンメル1991)

オクタノール/水分配係数

  • log Kow = -0.24(ICSC1998)

分解温度

  • データなし

蒸発速度(酢酸ブチル = 1)

  • データなし

粘度

  • 0.32mPa・s(20℃) HSDB (2005)

10.安定性及び反応性

安定性

  • 日光や空気にさらされると過酸化物質を生成し爆発性となる。
  • アセトンの入っている容器は、-9℃~15℃付近の温度で爆発性混合気を生成する。

危険有害反応可能性

  • 無水クロム酸、過塩素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、過酸化水素、硝酸、硝酸アンモニウムなど強酸化剤と激しく反応し、火災、爆発の危険性をもたらす。
  • 塩酸の存在下、アセトンにクロロホルムを加えると高い発熱反応起こす。

避けるべき条件

  • 火炎、高温、火花、スパーク

混触危険物質

  • 酸化性物質

危険有害な分解生成物

  • 一酸化炭素、二酸化炭素

11.有害性情報

急性毒性

  • 経口  ラットLD50値 >5000mg/kg(ACGIH2001)(SIDS1999)から区分外とした。
    <参考情報>経口で200mLほど摂取したヒトの症状は30分後に昏睡状態、頬の紅潮が現れ、呼吸が浅くなり昏睡状態に陥ったが、治療により快復する(NTIS : PB86-143435, Monograph on Human Exposure to Chemicals in Workplace : Epichlorohydrin (1986))。アルコ-ル飲料の使用により有害作用は増大する(S.Pallade et al.: Arch Mal Prof Med Trav Secur Soc 28, 505 - 516 (1967))。
  • 経皮  ウサギLD50値 >5000mg/kg(ACGIH2001)(SIDS1999)から区分外とした。
  • 吸入(ガス) GHS定義における液体である。
  • 吸入 (蒸気) ラットLD50値 32000ppm(75.8mg/L)(SIDS1999)から区分外とした。
    <参考情報>蒸気は、眼、気道を刺激し、中枢神経系、肝臓、腎臓、胃に影響を与え、意識喪失を起こすことがある(S.Pallade et al.: Arch Mal Prof Med Trav Secur Soc 28, 505 - 516 (1967))。多量の吸入により眼、喉の刺激、不快感、頭痛、吐気、知覚麻痺、血圧低下、呼吸速度の上昇と不規則が報告されている(NTIS : PB86-143435,Monograph on Human Exposure to Chemicals in Workplace :Epichlorohydrin (1986))。
  • 吸入(ミスト) データ無し

皮膚腐食性・刺激性

  • ウサギの皮膚に対して刺激性なし。(SIDS1999)(EHC207 1998)に基づき区分外とした。

眼に対する重篤な損傷・眼刺激性

  • 眼刺激性: 蒸気はヒトの眼を刺激する。しかし、ばく露が止まると刺激性は続かない(ATSDR1994))。
    ウサギではsevereという結果が報告されている(ACGIH2001))。角膜上皮は破壊されるが、基質までは至らず、角膜上皮の破壊は4-6日で回復する。アセトンは腐食性の眼刺激性ではない(SIDS1999))。            以上のことから、区分2Bとした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

  • Mouse ear swelling test及びGuinea pig maximization testで陰性(SIDS1999)) から、区分外とした。

生殖細胞変異原性

  • in vitro 小核試験で陰性 (SIDS1999)) から、区分外とした。

発がん性

  • ACGIH グループA4(ヒト発がん性に分類できない物質) (ACGIH2001))から、区分外とした。

生殖毒性

  • 疫学調査で流産への影響なし(ATSDR1994)。ラットの高濃度ばく露(11,000ppm(20mg/L))でわずかな発生毒性(胎児体重減)が、マウスの高濃度ばく露(6,600ppm(15.6mg/L))で胎児体重減、後期吸収発生率増が報告されている(EHC207 1998)との記述から、区分2とした。
  • 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い(区分2)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

  • ヒトへの12,000ppmのばく露で喉の刺激、200mLを飲み込んだ男性に昏睡(12時間後意識回復)、12,000ppmばく露した労働者に頭痛、めまい、足の脱力、失神及びラットの吸入試験で中枢神経の抑制が認められている(ACGIH2001)ことから麻酔作用を有する。区分3(麻酔作用)とした。
  • 吸入すると上部呼吸器系を刺激する。1,190、2,400mg/m3/6hのばく露で鼻、喉、気管の刺激、1,000ppm/4hのばく露で喉の刺激が報告されている(EHC207 1998)。以上のことから、区分3(気道刺激性)とした。
  • 眠気又はめまいのおそれ(区分3)
  • 呼吸器への刺激のおそれ(区分3)

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

  • 酸球の有意な増加及び好中球の貪食作用の有意な減少が観察されている(ACGIH2001)。ラット、マウスの試験でもガイダンス上限値を大きく超えた投与量ではあるが、ヒトに見られたと同様な血液学的変化が認められた(SIDS1999)。以上のことから、区分2(血液)とした。
  • 長期又は反復ばく露による血液の障害のおそれ(区分2)。

吸引性呼吸器有害性

  • 動粘性率は計算値で0.426mm2/sec、化学性肺炎の動物データが無いが、C13以下のケトンであることにより、区分2とした。
  • 飲み込み、気道に侵入すると有害のおそれ(区分2)

12.環境影響情報

水生環境急性有害性

  • 魚類、ファットヘッドミノー LC50 >100mg/L/96H (EHC207 1998) から、区分外とした。

水生環境慢性有害性

  • 難水溶性でなく(水溶解度1.00×10^6 mg/L(PHYSPROP Database))、急性毒性が低いことから、区分外とした。

オゾン層への有害性

  • 当該物質はモントリオール議定書の付属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)

13.廃棄上の注意

残余廃棄物

  • 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低下させること。
  • 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
  • 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに産業廃棄物管理表(マニフェスト)を交付して委託処理する。
  • 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
  • 焼却法:アセトンの廃油、高濃度排水、スラッジ等はそのまま又は易燃性溶剤と共に、少量ずつ焼却炉に噴射して焼却処理する。
  • 活性汚泥処理法:低濃度排水は活性汚泥で処理する。

汚染容器及び包装

  • 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
  • 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意

国際規制
海上規制情報
  • IMOの規定に従う。

UN No.

  • 1090

Proper Shipping Name

  • ACETONE

Class

  • 3

Packing Group

Marine Pollutant

  • Not applicable
航空規制情報
  • ICAO/IATAの規定に従う。

UN No.

  • 1090

Proper Shipping Name

  • Acetone

Class

  • 3

Packing Group

国内規制
陸上規制情報
  • 消防法・毒劇法の規定に従う。
海上規制情報
  • 船舶安全法の規定に従う。

国連番号

  • 1090

品名

  • アセトン

クラス

  • 3

容器等級

海洋汚染物質

  • 非該当
航空規制情報
  • 航空法の規定に従う。

国連番号

  • 1090

品名

  • アセトン

クラス

  • 3

等級

特別の安全対策

  • 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
  • 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
  • 危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
  • 食料品や飼料と一緒に輸送してはならない。
  • 移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号:127


15.適用法令

法令情報

化審法

  • 優先評価化学物質No114(官報20121221)
  • 優先評価化学物質の評価対象:人健康影響

労働基準法

  • 該当無し

労働安全衛生法

  • 名称等を通知すべき有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)(政令番号 第17号)
  • 名称等を表示すべき有害物(法第57条、施行令第18条1号の3)
  • 危険物・引火性のもの(施行令別表第1第4号)
  • 第2種有機溶剤等(施行令別表第6の2・有機溶剤中毒予防規則第1条第1項第4号)
  • 作業環境基準・作業環境評価基準

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

  • 非該当

毒劇物取締法

  • 非該当

消防法

  • 第4類引火性液体、第1石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)

大気汚染防止法

  • 非該当

海洋汚染防止法

  • 有害液体物質(Z類物質)(施行令別表第1)

水質汚濁防止法

  • 生活環境項目(施行令第3条第1項)

悪臭防止法

  • 非該当

船舶安全法

  • 引火性液体類(危規則第2・3条危険物告示別表第1)

航空法

  • 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)

麻薬向精神薬取締法

  • 麻薬向精神薬原料

輸出貿易管理令

  • 輸出承認品目「アセトンを50%を超えて含有する物(ただし、輸出総価額30万円以下のものは少額特例で除外される。)」(別表第2、 No.21-3「麻薬及び向精神薬取締法第二条第七号に規定する麻薬向精神薬原料その他の麻薬又向精神薬の原材料となる化学物質として経済産業省令で定めるもの」)
  • キャッチオール規制(別表第1、16項) 第29類 有機化学品HSコード(輸出統計品目番号、2013年1月版):2914.11-000「アセトン」

16.その他の情報

参考文献

各データごとに記載。

 →  

その他参考文献

ICSCより転記

国際化学物質安全性カード

 

アセトン ICSC番号:0087
アセトン
ACETONE
2-Propanone
Dimethyl ketone
Methyl ketone
C3H6O / CH3-CO-CH3
分子量:58.1
CAS登録番号:67-64-1
RTECS番号:AL3150000
ICSC番号:0087
国連番号:1090
EC番号:606-001-00-8
災害/
暴露のタイプ
一次災害/
急性症状
予防 応急処置/
消火薬剤
火災 引火性が高い。
裸火禁止、火花禁止、禁煙
粉末消火薬剤、水溶性液体用泡消火薬剤、大量の水、二酸化炭素。
爆発 蒸気/空気の混合気体は爆発性である。加熱すると圧力が上昇し、破裂の危険性がある。
密閉系、換気、防爆型電気および照明設備。充填、取り出し、取り扱い時に圧縮空気を使用してはならない。防爆用工具を使用する。
火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。
身体への暴露


吸入 咽頭痛、咳、錯乱、頭痛、めまい、嗜眠、意識喪失。
換気、局所排気、または呼吸用保護具。
新鮮な空気、安静。医療機関に連絡する。
皮膚 皮膚の乾燥。
保護手袋。
汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。
発赤、痛み、かすみ眼。
安全眼鏡。
多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずして)。医療機関に連絡する。
経口摂取 吐き気、嘔吐。
「吸入」参照。
作業中は飲食、喫煙をしない。食事前に手を洗う。
口をすすぐ。医療機関に連絡する。
漏洩物処理 貯蔵 包装・表示
・個人用保護具:空気中濃度に応じた低沸点有機ガスおよび蒸気用フィルター付マスク。
・すべての発火源を取り除く。
・換気。
下水に流してはならない
・漏れた液を密閉式の容器に集める。
・残留液を砂または不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移し、多量の水で洗い流す。

・耐火設備(条件)。
・強酸化剤から離しておく。
・「化学的危険性」参照。
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。

・EU分類
 記号 : F, Xi
 R : 11-36-66-67
 S : 2-9-16-26-46
・国連危険物分類(UN Hazard Class):3
・国連包装等級(UN Packing Group):II
・GHS分類
  注意喚起語:危険
  シンボル:炎
  引火性の高い液体および蒸気
  眼刺激

重要データは次ページ参照
ICSC番号:0087 Prepared in the context of cooperation between the International Programme on Chemical Safety & the Commission of the European Communities © IPCS CEC 1993












国際化学物質安全性カード

アセトン ICSC番号:0087











物理的状態; 外観:
特徴的な臭気のある、無色の液体

物理的危険性:
蒸気は空気より重い。地面あるいは床に沿って移動することがある。遠距離引火の可能性がある。

化学的危険性:
酢酸、硝酸、過酸化水素などの強酸化剤と接触すると爆発性の過酸化物を生成することがある。塩基性下でクロロホルムやブロモホルムと反応し、火災および爆発の危険をもたらす。プラスチックを侵す。

許容濃度:
TLV:500 ppm (TWA), 750 ppm (STEL); A4(人における発がん性が分類できていない物質);BEI(生物学的暴露指標)記載あり (ACGIH 2009)。

暴露の経路:
体内への吸収経路:吸入。

吸入の危険性:
20℃で気化すると、空気が汚染されてやや急速に有害濃度に達することがある。

短期暴露の影響:
眼および気道を刺激する。高濃度に暴露すると、意識低下を生じることがある。

長期または反復暴露の影響:
皮膚の脱脂を起こす。皮膚との反復接触により、乾燥やひび割れを起こすことがある。

物理的性質
・沸点:56℃
・融点:-95℃
・比重(水=1):0.8
・水への溶解性:混和する
・蒸気圧:24 kPa(20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):2.0
・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.2
・粘度:0.34 mm2/s(40℃)
・引火点:-18℃(c.c.)
・発火温度:465℃
・爆発限界:2.2~13 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):-0.24
環境に関する
データ

・アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。
NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)1;F(燃焼危険性)3;R(反応危険性)0;
付加情報


ICSC番号:0087
更新日2009.03
アセトン
© IPCS, CEC, 1993