リンクや広告について

当サイトには広告や別サイトへのリンクがありますので、ご確認ください。また配信事業者はCookieを使用してウェブサイト閲覧履歴に基づく広告を配信しております。

理論・知識
法令
練習問題
資格について
サイトマップ

二硫化炭素

製品安全データシート

二硫化炭素

作成日 2014年4月8日

改訂日 2014年4月8日

1.化学物質等及び会社情報

化学物質等の名称 :二硫化炭素

二硫化炭素

炎有毒健康有害性環境への危険性

製品コード      :0000000

会社名        :猫でもできるケミカル株式会社
住所             :вулиця Фрунзе1000,Бахчисарай, Крим, Україна
電話番号          :999-1234-5678
緊急時の電話番号    :999-1234-5678
FAX番号           :999-1234-5678
メールアドレス       :office_mbm@kikenbutu.ve

推奨用途及び使用上の制限:ビスコース人絹、セロハン、四塩化炭素、殺虫剤 、医薬品、溶剤(油脂、ゴム等)、ゴム加硫促進剤、浮遊選鉱剤


2.危険有害性の要約

GHS分類
物理化学的危険性 火薬類 分類対象外
  可燃性・引火性ガス 分類対象外
  可燃性・引火性エアゾール 分類対象外
支燃性・酸化性ガス 分類対象外
  高圧ガス 分類対象外
引火性液体 区分2
  可燃性固体 分類対象外
  自己反応性化学品 分類対象外
  自然発火性液体 区分外
  自然発火性固体 分類対象外
  自己発熱性化学品 分類できない
  水反応可燃性物質 分類対象外
  酸化性液体 分類対象外
  酸化性固体 分類対象外
  有機過酸化物 分類対象外
  金属腐食性物質 分類できない
健康に対する有害性 急性毒性(経口) 区分5
  急性毒性(経皮) 分類できない
  急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
  急性毒性(吸入:蒸気) 区分3
  急性毒性(吸入:粉じん) 分類対象外
  急性毒性(吸入:ミスト) 分類できない
  皮膚腐食性・刺激性 分類できない
  眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分2A-2B
  呼吸器感作性 分類できない
  皮膚感作性 分類できない
  生殖細胞変異原性 区分2
  発がん性 分類できない
  生殖毒性 区分1B
  特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) 区分1(中枢神経系)
    区分2(心臓)
    区分3(麻酔作用)
    区分2(気道刺激性)
  特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) 区分1(中枢神経系、心血管系、腎臓)
  吸引性呼吸器有害性 区分2
環境に対する有害性 水生環境急性有害性 区分2
水生環境慢性有害性 区分2
 
注意喚起語
  • 危険
危険有害性情報
  • 引火性の高い液体及び蒸気
  • 飲み込むと有害のおそれ(経口)
  • 吸入すると有毒(蒸気)
  • 強い眼刺激
  • 遺伝性疾患のおそれの疑い
  • 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
  • 中枢神経系の障害
  • 心臓の障害のおそれ
  • 眠気又はめまいのおそれ
  • 呼吸器への刺激のおそれ
  • 長期又は反復ばく露による中枢神経系、心血管系、腎臓の障害
  • 飲み込み、気道に侵入すると有害のおそれ
  • 水生生物に毒性
  • 長期的影響により水生生物に毒性
 
注意書き

【安全対策】

  • この製品を取り扱う際に、飲食又は喫煙をしないこと。
  • 火花、炎や高温のものから遠ざけること。
  • 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用する事。
  • 静電気による放電を防止する事。
  • 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
  • 屋外又は換気の良い区域でのみ取り扱うこと。
  • ミスト、蒸気、スプレーを吸入しない事。
  • 取扱い後は手をよく洗うこと。
  • 環境への放出を避ける事。

【応急措置】

  • 火災の場合:適切な消火方法をとること。
  • 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
  • 吐かせないこと。
  • 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
  • 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
  • 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
  • 皮膚(又は毛髪)に付着した場合:直ちに、すべての汚染された衣類を脱ぐこと、取り除くこと。
  • ばく露又はその懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
  • 飲み込んだ場合:直ちに医師の診断、手当てを受けること。
  • 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
  • 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
  • 漏出物は回収すること。

【保管】

  • 容器を密閉して換気の良い冷暗所で保管し施錠すること。

【廃棄】

  • 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

3.組成及び成分情報

公表化学物質

化学名又は一般名:  二硫化炭素(Carbon disulfide)

別名: メタンジチオン(Methanedithione)

化学式: CS2

分子量:76.13

化学特性(化学式又は構造式): 構造式は上図を参照すること

CAS番号: 75-15-0

官報公示整理番号(化審法・安衛法): (1)-172

分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし

濃度又は濃度範囲: 99%以上


4.応急措置

吸入した場合

  • ただちに新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
  • 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

  • 直ちに、全ての汚染された衣類等を脱ぎ、衣類等は隔離すること。
  • 皮膚を速やかに洗浄すること。
  • 脱いだ衣類を再使用する前に洗濯し汚染除去すること。
  • 気分が悪い時は、医師を呼ぶこと。

眼に入った場合

  • 水で数分間注意深く洗うこと。
  • コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
  • 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合

  • 口をすすぐこと。
  • ただちに医師の診断、手当てを受けること。

予想される急性症状及び遅発性症状

  • 眼・皮膚・粘膜の刺激
  • 眼・皮膚の発赤
  • 結膜・角膜の炎症
  • 錯乱、めまい、し眠、頭痛、吐き気、息切れ、嘔吐、脱力感、幻覚。
  • 化学性肺炎、意識喪失。
  • 遅発性症状:肺水腫、中枢神経系への影響。

最も重要な兆候及び症状

応急措置をする者の保護

  • 有機溶剤用の保護マスクが有ればそれを着用する。

医師に対する特別注意事項

  • 安静に保ち、医学的な経過観察が必要である。

5.火災時の措置

消火剤・小火災

  • 二酸化炭素、粉末消火剤、散水、耐アルコール性泡消火剤

消火剤・大火災

  • 散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤

使ってはならない消火剤

  • 棒状注水(本品があふれ出て火災拡大の危険性がある)

特有の危険有害性

  • 引火点が低い。
  • 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
  • 引火点(-30℃)以上では蒸気と空気の爆発性混合気体を生じることがある。
  • 火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。
  • 加熱により容器が爆発するおそれがある。

特有の消火方法

  • 散水によって逆に火災が広がるおそれがある場合には、上記に示す消火剤のうち、散水以外の適切な消火剤を利用すること。
  • 散水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には散水する。
  • 火災周辺の設備、可燃物に散水し、火災延焼を防ぐ。
  • 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
  • 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
  • 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。

消火を行う者の保護

  • 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

  • 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
  • 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
  • 関係者以外の立入りを禁止する。
  • 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
  • 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
  • 風上に留まる。
  • 低地から離れる。
  • 密閉された場所に立入る前に換気する。

環境に対する注意事項

  • 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。

回収、中和

  • 少量の場合、水で覆った後、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、密閉できる空容器に回収する。
  • 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。
  • 大量の場合、散水は、蒸気濃度を低下させる。しかし、密閉された場所では燃焼を抑えることが出来ないおそれがある。

封じ込め及び浄化の方法・機材

  • 危険でなければ漏れを止める。
  • 漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
  • 蒸気抑制泡は蒸発濃度を低下させるために用いる。

二次災害の防止策

  • すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
  • 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策

  • 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。

局所排気・全体換気

  • 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。

安全取扱い注意事項

  • 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
  • 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。
  • 接触、吸入又は飲み込んではならない。
  • 眼との接触を避ける。
  • 静電気対策を行い、作業着、靴等も導電性のものを用いる。
  • 電気設備は防爆構造とする。
  • タンク、その他の容器に二硫化炭素を入れるときは、表面に十分な水を張ってから物質注入管を水中に入れて静かに注入する。また、液体膨張を考慮し、容器の上部には空間を確保する事。
  • 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
  • この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
  • 取扱い後はよく手を洗うこと。

接触回避

  • 「10.安定性及び反応性」を参照。
保管

技術的対策

  • 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
  • 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
  • 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
  • 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
  • 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。

保管条件

  • 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
  • 容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。
  • 冷所、換気の良い場所で貯蔵すること。
  • 酸化剤、酸素、爆発物、ハロゲン、圧縮空気、酸、塩基、食品化学品等から離して保管する。
  • 容器は直射日光や火気を避けること。
  • 施錠して貯蔵すること。

混触危険物質

  • 「10.安定性及び反応性」を参照。

容器包装材料

  • 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置

管理濃度

  • 1ppm

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

  • 日本産業衛生学会(2005年版) 10ppm 3.1mg/m3
  • ACGIH(2005年版) TLV-TWA 1ppm Skin A4;BEI

設備対策

  • 製造業者が指定するその他の防爆の電気、換気、照明機器を使用すること。
  • 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
  • この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
  • 空気中の濃度を暴露限度以下に保つ為に排気用の換気を行う事。

保護具

  • 呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
  • 手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
  • 眼の保護具: 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
  • 皮膚及び身体の保護具: 適切な顔面用の保護具を着用すること。

衛生対策

  • この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
  • 取扱い後はよく手を洗うこと。

9.物理的及び化学的性質

物理的状態、形状、色など

  • 無色揮発性液体(5)

臭い

  • 不快臭(14)

pH

  • データなし

融点・凝固点

  • -111℃(5)-111.5℃(6)

沸点、初留点及び沸騰範囲

  • 46℃(沸点)(2)(5)

引火点

  • -30℃(開放式)(2)(5)

爆発範囲

  • 下限 1.3vol%、上限 50vol%(2)(5)
    下限 1vol%、上限 50vol%(5)

蒸気圧

  • 48kPa(25℃)(5)

蒸気密度(空気 = 1)

  • 2.62(6)

比重(密度)

  • 1.2632 (20℃/4℃)(6)

溶解度

  • 2860mg/L(水)(25℃)(6) 0.294%(水)(25℃)(1)
  • 無水メタノール、エタノール、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、油類と混和。

オクタノール/水分配係数

  • log Kow = 1.94(推定値)(8)

自然発火温度

  • 950℃(2)(5)(6)

分解温度

  • データなし

臭いのしきい(閾)値

  • 0.011ppm(25)

蒸発速度(酢酸ブチル = 1)

  • データなし

燃焼性(固体、ガス)

  • 非該当

粘度

  • 0.363mPa・s(20℃)(粘性率)(14)

10.安定性及び反応性

安定性

  • 加熱すると爆発することがある。
  • 衝撃、摩擦、又は振動を加えると、爆発的に分解することがある。

危険有害反応可能性

  • 酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
  • 塩素、アニリンと反応する。

避けるべき条件

  • 衝撃、摩擦、振動、加熱、混触危険物質との接触。ある種のプラスチック、ゴム、被覆剤を侵す。

混触危険物質

  • 有機過酸化物、酸化剤。

危険有害な分解生成物

  • 燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化硫黄。

11.有害性情報

急性毒性

  • 吸入により息切れや肺気腫を起こす危険性がある。
  • 中枢神経系に影響を与え、意識喪失、死に至る事がある。
  • 経口 ラット  LD50 3020mg/kg (20)
  • 吸入(蒸気) ラット  LD50 1.8mg/kg (8
  • 飲み込むと有害(区分3)

皮膚腐食性・刺激性

  • データ無し

眼に対する重篤な損傷・眼刺激性

  • ヒトの疫学情報で、眼に対して刺激性を有する(ただし、その程度は不明)(13)
    強い眼刺激(区分2A) 区分2A-2Bとしたが、安全の観点から2Aとした方が望ましい。


呼吸器感作性又は皮膚感作性

  • データ無し

生殖細胞変異原性

  • 経世代変異原性試験 (優性致死試験) で陰性、生殖細胞in vivo 変異原性試験なし、体細胞in vivo 変異原性試験(染色体異常)で陽性、生殖細胞 in vivo 遺伝毒性試験のデータはない。(13)
    遺伝性疾患のおそれの疑い(区分2)

発がん性

  •  IARC、ACGIH、日本産業衛生学会いずれの機関でも分類されていない。

生殖毒性

  •  ラットの世代繁殖毒性試験において、親動物への影響がみられない用量で次世代に影響がみられる。(13)
  • 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ(区分1B)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

  • ヒトで、興奮、情緒不安定、せん妄、幻覚、妄想、自殺願望等の精神障害、大脳の萎縮及び知能低下を伴う脳症、麻酔性作用、火傷による喉の痛みがみられた。(13)
  • 実験動物で、心臓の機能及び形態への影響がみられた。(13)
  • 中枢神経系の障害(区分1)
  • 心臓の障害のおそれ(区分2)
  • 呼吸器への刺激のおそれ(区分3)
  • 眠気又はめまいのおそれ(区分3)

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

  • ヒトで、多発性神経障害、大脳のアテローム性動脈硬化症 、大脳の萎縮、大脳の局所的な血流量の不均衡 、皮質萎縮、基底核及び放射冠に小梗塞巣が疑われる多発性の病変 、オリーブ核-橋-小脳の萎縮、末梢神経伝導速度の遅延及び活動電位の低下、虚血性心疾患、心筋梗塞、結節性糸球体硬化、びまん性糸球体硬化、係蹄、ボウマン嚢及び遠位尿細管等の基底膜肥厚がみられた。(13)
  •  実験動物で、心臓の水腫、出血、間質増生、血管拡張がみられた。(13)
  • 長期又は反復ばく露による中枢神経系、心血管系、腎臓の障害(区分1)

吸引性呼吸器有害性

  • 液体を飲み込むと、誤嚥により化学性肺炎を起こす危険がある。(3)(9)
    飲み込み、気道に侵入すると有害のおそれ(区分2)

12.環境影響情報

生態毒性

  •  水生生物に毒性がある。
  • 長期的影響により水生生物に毒性がある。

甲殻類

  • オオミジンコ LC50 2100μg/L(17)
  • 水生生物に毒性(区分2)

残留性・分解性

  • 難分解性であるが、生物濃縮性は低いと推定される。(GC直接法分解度=2%) 18)

生体蓄積性

  • 高濃縮性でないと判断される物質である(log Kow = 1.94(測定値) )。(8)(18)
  • 長期的影響により水生生物に毒性(区分2)

13.廃棄上の注意

残余廃棄物

  • 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
  • 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
  • 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
  • 燃焼法:アフターバーナ及びスクラバ付き焼却炉の火室へ噴霧し、焼却する。
  • 酸化法: 次亜塩素酸ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウムの混合溶液を攪拌しながら二硫化炭素を滴下し酸化分解させた後、多量の水で希釈して処理する。この反応は発熱反応なので、還流冷却器を付し二硫化炭素が外へ漏れないように注意する。また、反応容器の気相中の二硫化炭素ガスの検知を行うこと。

汚染容器及び包装

  • 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
  • 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意

国際規制
海上規制情報
  • IMOの規定に従う。

UN No.

  • 1131

Proper Shipping Name

  • CARBON DISULPHIDE

Class

  • 3

Sub Risk

  • 6.1

Packing Group

  • I

Marine Pollutant

  • YES
航空規制情報
  • ICAO/IATAの規定に従う。

UN No.

  • 1131(forbidden)

Proper Shipping Name

  • Carbon disuphide
国内規制
陸上規制情報
  • 消防法の規定に従う。毒物劇物取締法、高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報
  • 船舶安全法の規定に従う。

国連番号

  • 1131

品名

  • 二硫化炭素

クラス

  • 3

副次危険

  • 6.1

容器等級

  • I

海洋汚染物質

  • 該当
航空規制情報
  • 航空法の規定に従う。(積載禁止)

国連番号

  • 1131

品名

  • 二硫化炭素

特別の安全対策

  • 消防法、毒物劇物取締法、高圧ガス保安法の規定に従う。
  • 消防機関その他の関係機関に通報すること。
  • 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
  • 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
  • 輸送に際しては、火気、熱気、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
  • 鋼材部分と直接接触しないようにする。
  • 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
  • 重量物を上積みしない。
  • 危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
  • 移送時にイエローカードの保持が必要。

15.適用法令

法令情報

労働安全衛生法

  • 名称等を通知すべき有害物
    (法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
    (政令番号 第431号)
  • 危険物・引火性の物
    (施行令別表第1第4号)
  • 第1種有機溶剤等
    (施行令別表第6の2・有機溶剤中毒予防規則第1条第1項第3号)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

  • 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号 第241号)

化審法

  • 第2種監視化学物質(法第2条第5項)

毒物劇物取締法

  • 劇物(法第2条別表第2)

消防法

  • 第4類引火性液体、特殊引火物
    (法第2条第7項危険物別表第1)

高圧ガス保安法

  • 液化ガス (法第2条4)、可燃性ガス、毒性ガス(一般高圧ガス保安規則第2条1,2) 

船舶安全法

  • 引火性液体類
    (危規則第2,3条危険物告示別表第1)

航空法

  • 積載禁止

16.その他の情報

参考文献
  1. Merck (13th, 2001)
  2. NEPA (13th, 2001)
  3. CICAD 46 (2006)
  4. Lide (84th, 2003)
  5. ICSC (2003)
  6. HSDB (Access on Oct 2005)
  7. RTECS (2004)
  8. SRC:HenryWin (2005)
  9. ICSC (J) (2000)
  10. NTP DB (Access on Dec 2005)
  11. IARC (1987)
  12. ACGIH (7th, 2001)
  13. CERI・NITE有害性評価書 No.82 (2005)
  14. 溶剤ハンドブック (17th, 2004)
  15. CERI ハザードデータ集96-10(1997)
  16. 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会 (1992)
  17. 環境省リスク評価第2巻 (2003)
  18. 通産省公報「既存化学物質の安全性点検結果」 (1979.12.20)
  19. 発がん性物質の分類とその基準第6版 日本化学物質安全・情報センター (2004)
  20. GHS分類結果 (NITE)
  21. 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード(ラベル方式)」
  22. 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM) (2005)
  23. 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合データベース」 (2005)
  24. 環境省生態毒性試験報告 (2002)
  25. Amoore,J.E.and Haulate,E.(1983) Journal of Applied Toxicology,3(6) 272
  26. Handbook of Environmental Data on Organic Chemicals
  27. NIOSH:Pocket Guide to CHEMICAL HAZARDS (1997)
  28. RTECS (CD-ROM)

災害事例
(1) セロファン製膜工程の抄出作業などに従事していたところ、中毒にかかり、7ヵ月後に死亡した。
(2) カツオ節殺虫室(地下)内に入り二硫化炭素ガスを吸入し失神、救助作業者も同様に被災した。
(3) 計画停止のためプラント内の二硫化炭素を回収中、バルブを遠隔操作で開放した際に臨時に取り付けたビニール製レベルゲージホースが破裂して二硫化炭素が漏洩し、近くにあった蒸気配管の熱により発火、火災となった。

 →

そのその他参考文献

ICSCより転記

国際化学物質安全性カード

ニ硫化炭素 ICSC番号:0022
ニ硫化炭素
CARBON DISULFIDE
Carbon disulphide
Carbon bisulfide
Carbon sulfide
CS2
分子量:76.1
CAS登録番号:75-15-0
RTECS番号:FF6650000
ICSC番号:0022
国連番号:1131
EC番号:006-003-00-3
災害/
暴露のタイプ
一次災害/
急性症状
予防 応急処置/
消火薬剤
火災 引火性が高い。多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。火災時に刺激性もしくは有毒なフュームやガスを放出する。
裸火禁止、火花禁止、禁煙
高温面との接触禁止
粉末消火薬剤、水噴霧、泡消火薬剤、二酸化炭素。
爆発 蒸気/空気の混合気体は爆発性である。
密閉系、換気、防爆型電気および照明設備。帯電を防ぐ(例えばアースを使用)。
充填、取り出し、取扱い時に圧縮空気を使用してはならない
摩擦や衝撃を与えない
火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。
身体への暴露
作業環境管理を厳密に
(妊娠中の)女性への暴露を避ける
いずれの場合も医師に相談
吸入 めまい、頭痛、吐き気、息切れ、嘔吐、脱力感、被刺激性、幻覚。
換気、局所排気、または呼吸用保護具。
新鮮な空気、安静。医療機関に連絡する。
皮膚 吸収される可能性あり
皮膚の乾燥、発赤。
他の症状については「吸入」参照。
保護手袋、保護衣。
多量の水で洗い流した後、汚染された衣服を脱がせ、再度洗い流す。医療機関に連絡する。
発赤、痛み。
安全ゴーグル、顔面シールド、または、呼吸用保護具と眼用保護具の併用。
数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師に連れて行く。
経口摂取 「吸入」参照。
作業中は飲食、喫煙をしない。
何も飲ませない。医療機関に連絡する。
漏洩物処理 貯蔵 包装・表示
・危険区域から立ち退く!
・専門家に相談する!
・すべての発火源を取り除く。
・残留液を砂または不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。
下水に流してはならない
・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣。

・耐火設備(条件)。
・酸化剤、食品や飼料から離しておく。
・涼しい場所。
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。

・気密。
・破損しない包装。破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる。
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
・EU分類
 記号 : F, T
 R : 11-36/38-48/23-62-63
 S : (1/2-)16-33-36/37-45
・国連危険物分類(UN Haz Class):3
・国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):6.1
・国連包装等級(UN Pack Group):I

重要データは次ページ参照
ICSC番号:0022 Prepared in the context of cooperation between the International Programme on Chemical Safety & the Commission of the European Communities © IPCS CEC 1993












国際化学物質安全性カード

ニ硫化炭素 ICSC番号:0022











物理的状態; 外観:
特徴的な臭気のある、無色の液体

物理的危険性:
この物質の蒸気は空気より重く、地面あるいは床に沿って移動することがある。遠距離引火の可能性がある。流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。

化学的危険性:
衝撃、摩擦、または振動を加えると、爆発的に分解することがある。加熱すると、爆発することがある。高温の表面や空気に触れると自然発火し、有毒なフューム(二酸化イオウ[ICSC番号 0074])を生じることがある。酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。ある種のプラスチック、ゴム、被覆材を侵す。

許容濃度:
TLV:1 ppm (TWA);(皮膚);A4(人における発がん性が分類できていない物質) (ACGIH 2006)。
(訳注:詳細は ACGHI の TLVs and BEIs を参照)

MAK:5 ppm, 16 mg/m3;皮膚吸収(H);ピーク暴露限度カテゴリー:II(2);妊娠中のリスクグループ:B (DFG 2006)。
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)

暴露の経路:
体内への吸収経路:吸入、経皮、経口摂取。

吸入の危険性:
20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて急速に有害濃度に達することがある。

短期暴露の影響:
眼、皮膚、気道を刺激する。この液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を起こすことがある。中枢神経系に影響を与えることがある。意識低下を引き起こすことがある。200~500 ppmに暴露すると、死に至ることがある。

長期または反復暴露の影響:
反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。 心血管系、神経系に影響を与え、冠動脈性心疾患、重度の神経行動学的症状、多発性神経炎、精神病を生じることがある。動物試験では人の生殖に毒性影響を及ぼす可能性があることが示されている。

物理的性質
・沸点:46℃
・融点:-111℃
・比重(水=1):1.26
・水への溶解度:0.2 g/100 ml(20℃)
・蒸気圧:48 kPa(25℃)
・相対蒸気密度(空気=1):2.63
・引火点:-30℃ (c.c.)
・発火温度:90℃
・爆発限界:1~50 vol%(空気中)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):1.84
環境に関する
データ
・水生生物に対して毒性が強い。

・暴露の程度によっては、定期検診が必要である。
Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-30S1131
NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)3;F(燃焼危険性)4;R(反応危険性)0;
付加情報


ICSC番号:0022
更新日:2000.04
ニ硫化炭素
© IPCS, CEC, 1993