製品安全データシート
酢酸 (Acetic acid)
作成日 2014年5月08日
改訂日 2014年5月08日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称 :酢酸 (Acetic acid)
製品コード :0000000
会社名 :猫でもできるケミカル株式会社
住所 :вулиця
Фрунзе1000,Бахчисарай, Крим, Україна
電話番号 :999-1234-5678
緊急時の電話番号 :999-1234-5678
FAX番号 :999-1234-5678
メールアドレス :office_mbm@kikenbutu.ve
推奨用途及び使用上の制限
各種製造用原料(酢酸ビニル、酢酸エステル、無水酢酸、アセトン、食品調味料、医薬品等)、染色酸、食用、溶媒に用いられる。エステルとして各種溶剤、香料に用いられ、酢酸ビニルモノマー、モノクロロ酢酸、無水酢酸、セルロースアセタート、テレフタル酸などの原料として重要な工業薬品である。
2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 |
火薬類 |
分類対象外 |
|
可燃性・引火性ガス |
分類対象外 |
|
可燃性・引火性エアゾール |
分類対象外 |
|
支燃性・酸化性ガス |
分類対象外 |
|
高圧ガス |
分類対象外 |
|
引火性液体 |
区分3 |
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可燃性固体 |
分類対象外 |
|
自己反応性化学品 |
分類対象外 |
|
自然発火性液体 |
区分外 |
|
自然発火性固体 |
分類対象外 |
|
自己発熱性化学品 |
分類できない |
|
水反応可燃性物質 |
分類対象外 |
|
酸化性液体 |
分類対象外 |
|
酸化性固体 |
分類対象外 |
|
有機過酸化物 |
分類対象外 |
|
金属腐食性物質 |
分類できない |
健康に対する有害性 |
急性毒性(経口) |
区分外 |
|
急性毒性(経皮) |
区分4 |
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急性毒性(吸入:ガス) |
分類対象外 |
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急性毒性(吸入:蒸気) |
分類できない |
|
急性毒性(吸入:粉じん) |
分類対象外 |
|
急性毒性(吸入:ミスト) |
分類できない |
|
皮膚腐食性・刺激性 |
区分1 |
|
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 |
区分1 |
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呼吸器感作性 |
分類できない |
|
皮膚感作性 |
分類できない |
|
生殖細胞変異原性 |
分類できない |
|
発がん性 |
分類できない |
|
生殖毒性 |
分類できない |
|
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) |
区分1(血液、呼吸器系) |
|
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) |
分類できない |
|
吸引性呼吸器有害性 |
分類できない |
環境に対する有害性 |
水生環境急性有害性 |
区分3 |
|
水生環境慢性有害性 |
区分外 |
分類実施日
- H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
注意喚起語
危険有害性情報
- 引火性の液体および蒸気
- 皮膚に接触すると有害
- 重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
- 重篤な眼の損傷
- 血液、呼吸器系の障害
- 水生生物に有害
注意書き
【安全対策】
- 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
- 容器を密閉しておくこと。
- 容器を接地すること、アースをとること。
- 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。
- 火花を発生させない工具を使用すること。
- 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
- 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
- 取扱い後はよく手を洗うこと。
- この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
- 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
- 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
- 使用前に取扱説明書を入手すること。
- すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
- 適切な個人用保護具を使用すること。
- ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
- 環境への放出を避けること。
【応急措置】
- 皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。
- 皮膚に付着した場合、流水・シャワーで石けんを用いて洗うこと。
- 火災の場合には適切な消火方法をとること。
- 飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
- 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
- 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
- 吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
- 眼に入った場合、水で15分以上注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
- 眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
- 皮膚刺激または発疹が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
- 汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
- ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
- 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
- 換気の良い冷暗所に保管すること。
- 施錠して保管すること。
- 容器は密閉しておくこと。
【廃棄】
- 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
3.組成及び成分情報
公表化学物質
化学名又は一般名: 酢酸 (Acetic acid)
別名: エタン酸、(Ethanoic acid)、(Ethylic acid)、メタンカルボン酸、(Methanecarboxylic acid)
化学式: C2H4O2、CH3COOH
分子量: 60.05
化学特性(化学式又は構造式): 構造式は上図を参照すること
CAS番号: 64-19-7
EC番号: 200-580-7
官報公示整理番号(化審法・安衛法): (2)-688
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
濃度又は濃度範囲: 99.7%以上
4.応急措置
吸入した場合
- ただちに新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
- 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
-
呼吸困難又は呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を一方向弁付人工呼吸用具を用いて行う。一方向弁付人工呼吸用具が無いときは胸部圧迫を行う。直接人工呼吸は避けること。
皮膚に付着した場合
- 皮膚を速やかに流水・シャワーで洗浄すること。
- 脱いだ衣類を再使用する前に洗濯し汚染除去すること。
- 気分が悪い時は、医師を呼ぶこと。
眼に入った場合
- 水で数分間注意深く洗うこと。
- コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
- 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合
- 口をすすぎ、うがいをすること。
-
無理に吐かせないこと。(吐かせることにより再びのどに刺激や損傷を受ける。また、蒸気圧が高い為、蒸気などが気道を刺激や損傷を受けるだけではなく、肺に達して出血性肺炎を引き起こす危険がある)
-
被害者に意識がない場合、口から何も与えてはならない。
- ただちに医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状
- 吸入:咳、咽頭痛、めまい、頭痛、吐き気、灼熱感、息切れ、息苦しさ。
- 皮膚:発赤、痛み、皮膚熱傷、水疱。
- 眼:発赤、痛み、視力喪失、重度の熱傷。
- 経口摂取:腹痛、灼熱感、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、ショック、虚脱。
最も重要な兆候及び症状
-
蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。胃腸管に影響を与え、胸焼け、便秘を含む消化障害を生じることがある。
応急措置をする者の保護
医師に対する特別注意事項
- 肺水腫の症状は 2~3
時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。医師または医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な施行を検討する。
5.火災時の措置
消火剤
- 二酸化炭素、粉末消火剤、水噴霧、耐アルコール泡消火剤
使ってはならない消火剤
- 棒状注水(本品があふれ出て火災拡大の危険性がある)
特有の危険有害性
- 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
- 蒸気は空気よりも重く地面あるいは床に沿って移動することがあり、屋内、屋外、下水溝などで遠距離引火する場合がある。
- 火災によって刺激性、毒性のガスを発生するおそれがある。
- 静電気で引火する恐れがある。
- 加熱により容器が爆発するおそれがある。
- 消火水は汚染を引き起こす恐れがある。
特有の消火方法
- 火災発生場所周辺に関係者以外の立ち入りを禁止する。
- 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
- 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
- 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護
- 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。
6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置
- 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
- 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
- 関係者以外の立入りを禁止する。
- 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
- 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
- 風上に留まる。
- 低地から離れる。
- 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項
- 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
- 海上で薬剤を使用する場合は国土交通省の規定に適合すること。
回収、中和
- 乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
- 回収後は廃棄処分とする。
- 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材
- 危険でなければ漏れを止める。
- 漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
二次災害の防止策
- すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
- 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策
- 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
- 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項
- 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
- 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。
- 接触、吸入又は飲み込んではならない。
- 眼との接触を避ける。
- 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
- この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
- 取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避
保管
技術的対策
- 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
- 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
- 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
- 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
- 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
- 保管場所で使用する電気器具類は防爆構造とし、器具類は設置する。
保管条件
- 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
- 容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。
- 冷所、換気の良い場所で貯蔵すること。
- 容器は直射日光や火気を避けること。
- 施錠して貯蔵すること。
混触危険物質
容器包装材料
- 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。
- ガラス等。
- アクリル樹脂など多くのプラスチック、ゴムを侵す。
8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度
許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
- 日本産業衛生学会(2010年版) 最大許容濃度 10ppm 25mg/m3
- ACGIH(2010年版) TLV-TWA 10ppm
TLV-STEL 15ppm
設備対策
- 防爆の電気、換気、照明機器を使用すること。
- 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
- この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
- 局所または全体換気装置を設置する。
保護具
- 呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
- 手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
- 眼の保護具: 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
- 皮膚及び身体の保護具: 長袖作業着の着用、必要に応じて保護面体、保護長靴を着用すること。
(一切の接触を防止するにはブチルゴム製又はテフロン製の、手袋、エプロン、ブーツ、又は全体スーツ等の不浸透性の防具を適宜着用すること)
衛生対策
- この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
- 取扱い後はよく手を洗うこと。
9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など
臭い
pH
- 2.4 (1.0M水溶液)、2.9 (0.1M水溶液)、3.4 (0.01M水溶液) (Merck2006)
融点・凝固点
沸点、初留点及び沸騰範囲
引火点
自然発火温度
燃焼性(固体、ガス)
爆発範囲
蒸気圧
蒸気密度(空気 = 1)
比重(密度)
- 1.0446 g/cm3 (20℃/4℃)(HSDB2005)
溶解度
- 水 : 混和 (Merck2006)
- アルコール、グリセロール、エーテル、四塩化炭素 : 混和(Merck2006)
- 二硫化炭素 : 不溶(有機化合物辞典1985)
オクタノール/水分配係数
- log Pow = -0.17(PHYSPROP-Database2005)
分解温度
蒸発速度(酢酸ブチル = 1)
粘度
- 1.056mPa・s (25℃)(HCDB2005)
10.安定性及び反応性
安定性
危険有害反応可能性
-
酸化剤、塩基と激しく反応する。多くの金属を侵して引火性/爆発性気体(水素)を生じる。
-
ある種のプラスチック、ゴム、被膜剤を侵す。39℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。
避けるべき条件
混触危険物質
危険有害な分解生成物
11.有害性情報
急性毒性
- 経口 ラット LD50
3,310mg/kg、3,530mg/kg(RTECS)。区分5とした。ただし、分類JISでは区分外。
- 経皮 ウサギ LD50
1,060mg/kg、1,390mg/kg、1,500mg/kg(RTECS)区分4とした。
- 吸入(蒸気) 酢酸の飽和蒸気圧濃度は 20,800ppmであり、吸入試験は蒸気の状態で行われていると推測される。ラットのLCLo
16,000ppm(PATTY2001)より区分出来ない。
皮膚腐食性・刺激性
-
ウサギあるいはモルモットを用いた試験(PATTY2001)(ACGIH2004)において、刺激性の程度はばく露の濃度と時間に依存し、特に50~80%以上の濃度では重度の熱傷と痂皮形成が観察されている。かつ、EU分類ではC;R35であることから、区分1とした。なお、pHは1.0M=2.4
(Merck2006)、である。
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性
-
ウサギ眼に氷酢酸を適用直後に破壊的損傷を生じた(ACGIH2004)こと、別の試験で10%以上の濃度で永続的角膜損傷を伴う重度の刺激性を示した(IUCLID2000)こと、ヒトで誤って眼に入れてしまった後直ちに洗浄したにも拘らず角膜混濁や虹彩炎を起こし、上皮の再生に何ヶ月も要し特に角膜混濁は永続的であったとの症例報告(PATTY2001))もあり、区分1とした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
-
呼吸器感作性:酢酸による惹起に陽性反応を示した気管支喘息の患者や、アルコールまたは酢酸にばく露されⅠ型過敏性反応類似の反応を呈したヒトが報告されている(PATTY2001)。またエタノールにアナフィラキシー反応と酢酸に即時型アレルギーを示したとの報告もある(HSDB2005)。しかし、以上の報告は極めて稀な症例であり、またその他にヒトに対しての報告や動物による試験報告などはなくデータ不足のため分類できない。なお、当該物質と喘息発作の関連性は否定できないため、取り扱いには十分な注意を要する。
- 皮膚感作性:データなし
生殖細胞変異原性
- in vivoの試験結果がないので分類できないとした。in vitro
変異原性試験ではエームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性の結果(PATTY2001)が報告されている。
発がん性
-
酢酸・無水酢酸生産工場の大規模な疫学調査(PATTY2001)が実施され、労働者1359人のコホートで癌による死亡を評価の結果、前立腺がんでの増加(6例)を除き全ての癌による死亡が減少した。前立腺がんによる死亡の解釈は困難と結論されている(PATTY2001)が、いずれにしてもデータ不足のため分類できない。
生殖毒性
-
ラットを用い出産から18日齢までばく露した試験(PATTY2001)およびマウスの器官形成期に経口投与した試験(HSDB2005)授乳影響あるいは仔の発生に対する悪影響の記載はない。しかし、交配前からのばく露による親動物の性機能および生殖能に及ぼす影響に関してはデータがないので分類できない。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
-
ヒトで氷酢酸または大量の酢酸を摂取後、播種性血管内凝固障害、重度の溶血、虚血性腎不全を起こした症例報告が複数あり(PATTY2001)(ACGIH2004)、区分1(血液)とした。また、ヒトで吸入ばく露による鼻、上気道、肺に対する刺激性の記載(PATTY2001)、「吸入すると眼や気道に腐食の影響が現われてから、肺水腫を引き起こすことがある」との記述(ICSC2010)があり、実際に石油化学工場での事故によるばく露で気道閉塞と間質性肺炎を発症した報告(ACGIH2004)があるので区分1(呼吸器系)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
-
ラットに3%の被験物質を6ヶ月間胃内投与した試験で食道粘膜の慢性炎症がみられ(PATTY2001)、また、職業ばく露により、労働者が胸焼けや便秘などの消化器症状の訴え(PATTY2001)、また、女性労働者117人の横断研究においてばく露を受けた労働者が対照に比べ慢性咳嗽、胸部ひっ迫、鼻カタル、副鼻腔炎の有病率が有意に高かったとの報告(ACGIH2004)もあるが、いずれもデータ不足で分類できない。
吸引性呼吸器有害性
12.環境影響情報
水生環境急性有害性
- 甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 65000μg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分3とした。
水生環境慢性有害性
- 急速分解性があり(BODによる分解度:74%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log
Kow=-0.17(PHYSPROP-Database2005))ことから、区分外とした。
オゾン層への有害性
- 当該物質はモントリオール議定書の付属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)
13.廃棄上の注意
残余廃棄物
- 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低下させること。
- 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
- 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに産業廃棄物管理表(マニフェスト)を交付して委託処理する。
- 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装
- 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
- 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報
UN No.
Proper Shipping Name
Class
SubRisk
Packing Group
Marine Pollutant
航空規制情報
UN No.
Proper Shipping Name
Class
SubRisk
Packing Group
国内規制
陸上規制情報
海上規制情報
国連番号
品名
クラス
副次リスク
容器等級
海洋汚染物質
航空規制情報
国連番号
品名
クラス
副次リスク
等級
特別の安全対策
- 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
- 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
-
危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
-
食料品や飼料と一緒に輸送してはならない。
- 移送時にイエローカードの保持が必要。
緊急時応急措置指針番号:132
15.適用法令
法令情報
化審法
労働基準法
労働安全衛生法
- 名称等を通知すべき有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)(政令番号 第176号)
- 危険物・引火性のもの(施行令別表第1第4号)
- 腐食性液体(規則第326条)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)
毒劇物取締法
消防法
- 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
大気汚染防止法
海洋汚染防止法
水質汚濁防止法
悪臭防止法
道路法
船舶安全法
航空法
- 腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)
麻薬向精神薬取締法
16.その他の情報
参考文献
各データごとに記載。