製品安全データシート
エタノール(Ethanol)
作成日 2014年4月24日
改訂日 2014年4月24日
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称 :エタノール(Ethanol)
製品コード :0000000
会社名 :猫でもできるケミカル株式会社
住所 :вулиця
Фрунзе1000,Бахчисарай, Крим, Україна
電話番号 :999-1234-5678
緊急時の電話番号 :999-1234-5678
FAX番号 :999-1234-5678
メールアドレス :office_mbm@kikenbutu.ve
推奨用途及び使用上の制限
多くのエチルアルコールは希釈してアルコール飲料、実験室用溶剤、変性アルコール、医薬品(消毒剤、ローション、トニック、コロン類)製造、香粧品工業、有機合成化学工業の溶剤、ガソリンのオクタン価向上剤、医薬品助剤(溶剤)
2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性 |
火薬類 |
分類対象外 |
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可燃性・引火性ガス |
分類対象外 |
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可燃性・引火性エアゾール |
分類対象外 |
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支燃性・酸化性ガス |
分類対象外 |
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高圧ガス |
分類対象外 |
|
引火性液体 |
区分2 |
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可燃性固体 |
分類対象外 |
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自己反応性化学品 |
分類対象外 |
|
自然発火性液体 |
区分外 |
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自然発火性固体 |
分類対象外 |
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自己発熱性化学品 |
分類できない |
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水反応可燃性物質 |
分類対象外 |
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酸化性液体 |
分類対象外 |
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酸化性固体 |
分類対象外 |
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有機過酸化物 |
分類対象外 |
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金属腐食性物質 |
分類できない |
健康に対する有害性 |
急性毒性(経口) |
区分外 |
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急性毒性(経皮) |
区分外 |
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急性毒性(吸入:ガス) |
分類対象外 |
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急性毒性(吸入:蒸気) |
区分外 |
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急性毒性(吸入:粉じん) |
分類対象外 |
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急性毒性(吸入:ミスト) |
分類できない |
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皮膚腐食性・刺激性 |
区分外 |
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眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 |
区分2B |
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呼吸器感作性 |
分類できない |
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皮膚感作性 |
分類できない |
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生殖細胞変異原性 |
区分外 |
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発がん性 |
分類できない |
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生殖毒性 |
区分1A |
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特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) |
区分3(気道刺激性、麻酔作用) |
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特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) |
区分1(肝臓)、区分2(中枢神経系) |
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吸引性呼吸器有害性 |
分類できない |
環境に対する有害性 |
水生環境急性有害性 |
区分外 |
|
水生環境慢性有害性 |
区分外 |
分類実施日
H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
注意喚起語
危険有害性情報
- 引火性の高い液体及び蒸気
- 眼刺激
- 遺伝性疾患の恐れ
- 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
- 眠気やめまいのおそれ
- 長期又は反復ばく露による肝臓の障害
- 長期又は反復ばく露による神経系の障害
注意書き
【安全対策】
- 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。
- 容器を密閉しておくこと。
- 容器を接地すること、アースをとること。
- 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。
- 火花を発生させない工具を使用すること。
- 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
- 適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
- 取扱い後はよく手を洗うこと。
- この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
- 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
- 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
- 使用前に取扱説明書を入手すること。
- すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
- 適切な個人用保護具を使用すること。
- ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
- 環境への放出を避けること。
【応急措置】
- 皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。
- 皮膚に付着した場合、流水・シャワーで石けんを用いて洗うこと。
- 火災の場合には適切な消火方法をとること。
- 飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
- 飲み込んだ場合、口をすすぐこと。
- 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
- 吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
- 眼に入った場合、水で15分以上注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
- 眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
- 皮膚刺激または発疹が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
- 汚染された衣類を再使用す場合には洗濯をすること。
- ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
- 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
【保管】
- 換気の良い冷暗所に保管すること。
- 施錠して保管すること。
- 容器は密閉しておくこと。
【廃棄】
- 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
3.組成及び成分情報
公表化学物質
化学名又は一般名: エタノール(Ethanol)
別名: エチルアルコール、(Ethyl alcohol)、エタン‐1‐オール、(Ethane-1-ol)
化学式: CH3CH2OOH
分子量: 46.07
化学特性(化学式又は構造式): 構造式は上図を参照すること
CAS番号: 67-17-5
EC番号: 203-578-6
官報公示整理番号(化審法・安衛法): (2)-202
分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
濃度又は濃度範囲: 99.5%以上
4.応急措置
吸入した場合
- ただちに新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
- 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合
- 皮膚を速やかに流水・シャワーで洗浄すること。
- 脱いだ衣類を再使用する前に洗濯し汚染除去すること。
- 気分が悪い時は、医師を呼ぶこと。
眼に入った場合
- 水で数分間注意深く洗うこと。
- コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
- 眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合
- 口をすすぎ、うがいをすること。
- 大量の水を飲ませ、のどに指を入れて吐かせること。
- ただちに医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状
- 吸入:咳、めまい、頭痛、吐き気、脱力感。
- 皮膚:皮膚の乾燥。
- 眼:発赤、痛み。
- 経口摂取:嘔吐、意識喪失、めまい、頭痛、吐き気、脱力感。
最も重要な兆候及び症状
- 中枢神経系に影響を与えることがある。
- 刺激、頭痛、疲労感、集中力欠如を生じることがある。
- 妊娠中にエタノールを摂取すると、胎児に有害影響が及ぶことがある。
- 長期にわたる摂取は肝硬変を引き起こすことがある。
応急措置をする者の保護
- 火気に注意する。
- 有機溶剤用の保護面体、防護手袋があればそれを着用する。有機溶剤用の防護マスクと防護メガネでも可。
医師に対する特別注意事項
5.火災時の措置
消火剤
- 二酸化炭素、粉末消火剤、水噴霧、耐アルコール性泡消火剤、ハロゲン化物
使ってはならない消火剤
- 棒状注水(本品があふれ出て火災拡大の危険性がある)
特有の危険有害性
- 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
- 蒸気は空気よりも重く地面あるいは床に沿って移動することがあり、屋内、屋外、下水溝などで遠距離引火する場合がある。
- 火災によって刺激性、毒性のガスを発生するおそれがある。
- 静電気で引火する恐れがある。
- 加熱により容器が爆発するおそれがある。
- 消火水は汚染を引き起こす恐れがある。
特有の消火方法
- 火災発生場所周辺に関係者以外の立ち入りを禁止する。
- 危険でなければ火災区域から容器を移動する。
- 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
- 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護
- 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。
6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置
- 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
- 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
- 関係者以外の立入りを禁止する。
- 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
- 漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
- 風上に留まる。
- 低地から離れる。
- 密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項
- 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
- 海上で薬剤を使用する場合は国土交通省の規定に適合すること。
回収、中和
- 乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
- 回収後は廃棄処分とする。
- 大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。
封じ込め及び浄化の方法・機材
- 危険でなければ漏れを止める。
- 漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
二次災害の防止策
- すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
- 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策
- 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
- 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項
- 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
- 容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。
- 接触、吸入又は飲み込んではならない。
- 眼との接触を避ける。
- 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
- この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
- 取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避
保管
技術的対策
- 保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
- 保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
- 保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
- 保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
- 保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
- 保管場所で使用する電気器具類は防爆構造とし、器具類は設置する。
保管条件
- 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。-禁煙。
- 容器を密閉して換気の良いところで貯蔵すること。
- 冷所、換気の良い場所で貯蔵すること。
- 容器は直射日光や火気を避けること。
- 施錠して貯蔵すること。
混触危険物質
容器包装材料
- 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。
- ガラス、ステンレス等
- 軟質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂は侵されるので不適。
8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度
許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)
- 日本産業衛生学会(2010年版) 設定されていない
- ACGIH(2010年版) TLV-STEL 1000ppm (2009年版)
設備対策
- 防爆の電気、換気、照明機器を使用すること。
- 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
- この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
- 局所または全体換気装置を設置する。
保護具
- 呼吸器の保護具: 適切な呼吸器保護具を着用すること。
- 手の保護具: 適切な保護手袋を着用すること。
- 眼の保護具: 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型)
- 皮膚及び身体の保護具: 長袖作業着の着用、必要に応じて保護面体、保護長靴を着用すること。
(一切の接触を防止するにはブチルゴム製又はテフロン製の、手袋、エプロン、ブーツ、又は全体スーツ等の不浸透性の防具を適宜着用すること)
衛生対策
- この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
- 取扱い後はよく手を洗うこと。
9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など
臭い
pH
融点・凝固点
- -114.5℃(ウルマン工業化学百科事典2003)
沸点、初留点及び沸騰範囲
- 78.32℃(沸点)(ウルマン工業化学百科事典2003)
引火点
自然発火温度
燃焼性(固体、ガス)
爆発範囲
- 下限 3.3vol%、上限 19vol%(Lide2008)
蒸気圧
蒸気密度(空気 = 1)
比重(密度)
- 0.7893(20℃/20℃)(ウルマン工業化学百科事典2003)
溶解度
- 水と混和(ACGIH2001)
- 殆どの有機溶剤と混和(ACGIH2001)
オクタノール/水分配係数
- log Pow = -0.31 (EXP)(Howard1997)
分解温度
蒸発速度(酢酸ブチル = 1)
粘度
- 1.203mPa・s(0.61cP)(20℃)(Lide2008)
10.安定性及び反応性
安定性
危険有害反応可能性
- 次亜塩素酸カルシウム、酸化銀、アンモニアと徐々に反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
- 硝酸、硝酸銀、硝酸第二水銀、過塩素酸マグネシウムなどの酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
避けるべき条件
混触危険物質
- 次亜塩素酸カルシウム、酸化銀、アンモニア、硝酸、硝酸銀、硝酸第二水銀、過塩素酸マグネシウムなどの酸化剤
危険有害な分解生成物
11.有害性情報
急性毒性
- 経口 ラットLD50 6200-15000mg/kg
bw(DFGOT1999)、13.7g(13700mg)/kg、17.8g(17800mg)/kg、11.5g(11500mg)/kg(Patty2005)、9.8
- 11.6 ml/kg bw(7938 - 9396 mg/kg)、15010 mg/kg bw、7000 - 11000 mg/kg
bw、14.6 ml/kg bw(11826 mg/kg)、7800 mg/kg bw、11500 mg/kg bw、11170 - 16710
mg/kg bw、7060 mg/kg bw、8300 mg/kg bw(SIDS2000)、はすべて区分外に該当している。
- 経皮 ウサギのLDLo=20,000 mg/kg bw(SIDS2009)に基づき、区分外とした。
- 吸入(ガス) GHS定義における液体である。
- 吸入 (蒸気) ラットLC50のうち、区分4に該当するものが1つ{3,837ppmV(SIDS2009)}、区分外に該当するものが4つ{63,000ppmV(4h)(DFGOT1999)、20,661ppmV(4h)、66,181ppmV(4h)、22,627ppmV(4h)(SIDS2009)}であることに基づき、区分外とした。なお、被験物質の濃度は飽和蒸気圧濃度78,026ppmV(147.1
mg/L)の90%[70,223ppmV(132.4 mg/L)]より低い値であることから、ガスの基準値(ppmV)を用いた。
- 吸入(ミスト) データ無し
皮膚腐食性・刺激性
-
ウサギに4時間ばく露した試験(OECD-TG404)において、適用1および24時間後の紅斑の平均スコアが1.0、その他の時点では紅斑および浮腫の平均スコアは全て0.0であり、刺激性なし(not
irritating)の評価(SIDS2009)に基づき、区分外とした。
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性
-
ウサギを用いたDraize試験(OECD-TG405)において中等度の刺激性(moderate irritating)と評価され
(SIDS2009)(DFGOT1999)、適用後1~3日目に角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤、結膜浮腫が認められ、MMAS (Modified
Maximum Average Score:AOIに相当) が24.0(ECETOCTR48
1998)、かつ7日以内に症状がほぼ回復している(ECETOC-TR1998)ことから、区分2Bとした。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
-
呼吸器感作性:データ不足で分類できない。なお、アルコールによる気管支喘息症状の誘発は血中アルデヒド濃度の増加と関係があると考えられており、一方、軽度の喘息患者2人がエタノールの吸入誘発試験で重度の気管支収縮を起こしたことが報告されている(DFGOT1996)が、その反応がアレルギー由来であることを示すものではないとも述べられている(DFGOT1996)。
- 皮膚感作性:ヒトでは、アルコールに対するアレルギー反応による接触皮膚炎等の症例報告がある(DFGOT
1996)との記述があるが、「ヒトでは他の一級または二級アルコールとの交叉反応性が見られる場合があること、動物試験で有意の皮膚感作性は見られないことにより、エタノールに皮膚感作性ありとする十分なデータがない」(ACGIH2001)(DFGOT1996)(IUCLID2000)の記述に基づきデータ不足のため分類できないとした。
生殖細胞変異原性
- マウスおよびラットを用いた経口投与(マウスの場合はさらに腹腔内投与)による優性致死試験(生殖細胞in vivo
経世代変異原性試験)において陽性結果(SIDS2009)(IARC1988)があるものの、極めて高い用量での知見であり、再現性も認められておらず、標準的in
vivoおよびin vitro 変異原性試験においても陰性であったことから、証拠の重みづけに基づき区分外とした(RTP2009)。 なお、in
vitro
変異原性試験として、エームス試験はすべて陰性であり(DFGOT1999)(SIDS2009)(NTP-DB2009)、染色体異常試験でもCHO細胞を用いた試験1件の陽性結果を除き他はすべて陰性であった(SIDS2009)。
発がん性
- ACGIHはエタノールをA3に分類しており(ACGIH2009)
区分2相当であるが、この評価に用いたデータは、ラット雌雄を用いた飲水による生涯試験であり、ヒトでの飲酒を想定して高用量(10%濃度)で実施されている。より低用量(1%または3%濃度)のラット雌雄を用いた液体飼料による2年間試験においては明確な発がん性は示されていない(ACGIH2009)。さらに、ヒト職業ばく露における疫学調査ではなく動物実験のデータに基づいており、ヒトに対しては不明であるとの但し書きがある。
また、IARCはアルコール性飲料を習慣的に摂取するヒトの多数の疫学調査に基づいてアルコール性飲料をグループ1に分類しており(IARC1987)、2007年の再評価においてもアルコール性飲料およびアルコール性飲料中のエタノールをグループ1に分類している(IARC(Access
on
Oct.2009))が、このデータはヒトにおける嗜好的習慣的摂取のデータに基づいている。さらに、EUではエタノールについての発がん性分類はされていない。以上のことから、現時点においては分類できないと判断した。
生殖毒性
-
エタノールに関する疫学情報は多く、これまでの前向き研究あるいはケース・コントロール研究の結果から、一定量以上の飲酒が流産の発生あるいは発生のリスクを有意に増加させることが報告されている(IARC
1987)。また、妊婦の習慣的な飲酒が胎児に発育抑制、小頭症、特徴的顔貌、精神障害などを起こす胎児性アルコール症候群が複数の報告で認められる(IARC1987)(SIDS2009)(DFGOT1999)。その他に出生前のエタノール摂取による異常として、口蓋裂、手掌線の異常、心房心室中隔欠損、耳管欠損などが見られ、妊婦がエタノールを大量摂取した場合に催奇形性と胎児毒性が強く示唆されるとの記述もある(SIDS2009)。以上の疫学報告および疫学研究の結果は、ヒトに対するエタノールの生殖毒性を示す確かな証拠と考えられるので区分1Aとした。なお、動物試験では、ラットおよびマウスに経口投与による一世代試験では悪影響がなく(SIDS2009)、マウスの二世代試験で同腹生存仔数の減少が見られ(SIDS2009)、また、ラットの妊娠期間中の経口投与による一部の試験で多指症、多合指症などの奇形が報告されている(IARC1987)。
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
-
ヒトに吸入ばく露した試験で、昏迷、傾眠、軽度の麻痺が観察されている(ACGIH2001)。また、エタノール摂取による急性の毒性影響は中枢神経系の障害であると記載され(DFGOT1999)、重度の中毒では筋失調、霧視、複視、昏迷、低体温、嘔気、嘔吐、痙攣など、大量摂取した場合には昏睡、反射低下、呼吸抑制、低血圧が見られ、さらに呼吸または循環器不全により、あるいは咽頭反射が欠如した場合には胃内容物吸引の結果として死に至ると記述されている(Patty2001)。上記のヒトでの昏迷、傾眠などの症状に加え、ラット、マウスおよびモルモットに吸入ばく露した試験における麻酔、傾眠、運動失調などの症状の記載(SIDS2009)(DFGOT1999)に基づき区分3(麻酔作用)とした。一方、ヒトに試験物質蒸気の吸入ばく露は低濃度でも眼と上気道に刺激性があるとの記述(ACGIH2001)、ヒトに吸入ばく露した試験で、咳および眼と鼻腔に疼きを感じたとの報告(Patty2001)、さらに非耐性の被験者の吸入ばく露試験では鼻刺激感が報告されている(Patty
2001)ことから区分3(気道刺激性)とした。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
-
ヒトでアルコールの長期大量摂取はほとんど全ての器官に悪影響を及ぼすが、最も強い影響を与える標的器官は肝臓であり、障害は脂肪変性に始まり、壊死と線維化の段階を経て肝硬変に進行する(DFGOT
1996)との記載に基づき区分1(肝臓)とした。また、アルコール摂取により重度の身体的依存症となった患者は、振戦、痙攣、譫妄の禁断症状に加え、しばしば嘔気、脱力、不安、発汗を伴い、アルコールを得るための意図的行動、および反射亢進が顕著となると述べられている(HSDB2003)ことから、区分2(中枢神経系)とした。なお、動物試験では有害影響の発現はさほど顕著ではなく、ラットあるいはマウスの90日間反復経口ばく露試験の場合、ガイダンス値範囲をかなり上回る高用量で肝臓への影響として脂肪変性が報告されている(SIDS2009)。
吸引性呼吸器有害性
12.環境影響情報
水生環境急性有害性
- 魚類(ファットヘッドミノー)での96時間LC50
> 100mg/L(SIDS2005)、甲殻類 (ネコゼミジンコ) での48時間LC50
= 5012mg/L(SIDS2005)、藻類(クロレラ)での96時間EC50
= 1000mg/L(SIDS2005)であることから、区分外とした。
水生環境慢性有害性
-
難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP-Database2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。
オゾン層への有害性
- 当該物質はモントリオール議定書の付属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない)
13.廃棄上の注意
残余廃棄物
- 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低下させること。
- 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
- 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに産業廃棄物管理表(マニフェスト)を交付して委託処理する。
- 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装
- 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
- 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
14.輸送上の注意
国際規制
海上規制情報
UN No.
Proper Shipping Name
Class
Packing Group
Marine Pollutant
航空規制情報
UN No.
Proper Shipping Name
Class
Packing Group
国内規制
陸上規制情報
海上規制情報
国連番号
品名
クラス
容器等級
海洋汚染物質
航空規制情報
国連番号
品名
クラス
等級
特別の安全対策
- 危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
- 危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
-
危険物の運搬中、危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
-
食料品や飼料と一緒に輸送してはならない。
- 移送時にイエローカードの保持が必要。
緊急時応急措置指針番号:127
15.適用法令
法令情報
化審法
労働基準法
労働安全衛生法
- 名称等を通知すべき有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)(政令番号 第61号)
- 危険物・引火性のもの(施行令別表第1第4号)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)
毒劇物取締法
消防法
- 第4類引火性液体、アルコール類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
大気汚染防止法
海洋汚染防止法
水質汚濁防止法
悪臭防止法
船舶安全法
- 引火性液体類(危規則第2・3条危険物告示別表第1)
航空法
- 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)
麻薬向精神薬取締法
16.その他の情報
参考文献
各データごとに記載。