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危険物取扱者に必要な消火理論 窒息消火法

窒息消火法

燃焼の三要素のひとつである酸素供給体(空気)を取り除くことにより消火する方法です。

燃焼は酸化であるため、酸素が無くなれば酸化できません。つまり、消火できるというわけです。

ただし、物質に酸素を含有する危険物の場合は、自己反応や分解により酸素が供給されるため適しません。

紙などの窒息消火法

下記図は二酸化炭素を用いて酸素濃度を燃焼範囲以下にする方法。
また、可燃物自体を粉末消火剤や泡消火剤で覆うことにより酸素との接触を断つのも窒息消火法である。

窒息消火法

アルコール・アセトン等火災の泡消火剤による窒息消火法

アルコールやアセトンは普通の泡消火剤では泡を溶解してしまう為(消泡性液体)、耐アルコール泡消火剤(水溶性液体用泡消火薬剤)を使用します

泡で可燃物表面を包むことにより空気との接触を遮断します。

窒息消火法

 

第4類危険物で、耐アルコール泡消火剤(水溶性液体用泡消火薬剤)を使用しなければならない物質

物質ごとの学習で学ぶことですが、この部分だけはよく出題されるので一覧にしておきました。

類区分 溶性 物質名
特殊引火物 ジルチルエーテル
アセトアルデヒド
酸化プロピオン
第1石油類 非水溶性 メチルエチルケトン
水溶性 アセトン
水溶性 ピリジン
アルコール類(アルコール類は4物質全てです) メチルアルコール
エチルアルコール
ノルマルプロピルアルコール
イソプロピルアルコール
第2石油類 水溶性 酢酸
水溶性 プロピオン酸
水溶性 アクリル酸

※ 第2石油類のノルマルブチルアルコールは、アルコールには分類されず、非水溶性とされています。
   また、耐アルコール消火剤を用いなくても消火できるとされています。

 

第2類や第3類の危険物火災の窒息消火法

乾燥砂を用いた窒息消火法です。酸化性物質や自己反応性物質を除き、様々な物質の消火に使用できます。

窒息消火法

ハロゲン化物を用いた窒息消火法

ハロゲン化物を用いた消火施設は、通常の建物の中などには用いられません。これは消火が始まれば人間も窒息してしまうからです。したがって、これらの消火設備が稼働する前には避難勧告が放送されます。

このハロゲン化物は二酸化炭素のように燃焼物を酸欠にする窒息効果と共に、燃焼中の活性物質に作用して、反応を抑制する効果もあります。

ハロゲン化物にはフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)の4種類があります。
ハロン1301やハロン2402といったものが一般的に使用されている消火用のハロゲン化物です。

※ 現在では製造や販売が国際的な取り決めにより禁止されました。状況により消火設備の変更が出来ない施設においてのみ、維持の為の製造と販売が許可されています。

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まとめ